セクハラ、パワハラの慰謝料の相場について

セクハラやパワハラが発生すると、被害者は加害者へどの程度の慰謝料を請求できるのでしょうか。慰謝料トラブルをスムーズに解決するため、慰謝料の相場を把握しておきましょう。

この記事では、セクハラやパワハラの慰謝料の相場について、京都の弁護士が解説します。

セクハラ、パワハラの被害に遭ってお困りの方は参考にしてみてください。

1 セクハラとは

セクハラとは、「セクシュアルハラスメント」の略で、簡単にいうと性的な嫌がらせです。

職場で他の人を不快にさせるような性的な言動をとると、セクハラに該当する可能性があります。

より正確にいうと「職場において行われ、労働者の意に反する性的な言動により、労働者が労働条件について不利益を受けたり、就業環境が害されることをいいます。

たとえば、労働者が性的な要求を拒んだために降格や解雇などの不利益を受ける場合や、職場仲間の性的な言動によって職場環境が悪化した場合などにセクハラが成立し得ます。

セクハラの加害者になるのは上司だけではありません。

同僚や後輩などからもセクハラ被害を受ける可能性があります。

2 セクハラで慰謝料請求できる相手

セクハラの被害に遭った場合には、加害者へ慰謝料を請求できるケースが多数です。

まずは、直接の加害者へ慰謝料請求できます。

また、加害者を雇用している会社へも慰謝料請求できるケースがあります。

理由は2つあり、1つには会社には加害者の使用者責任が発生するためです。

2つ目は、会社には労働者が働きやすい環境を用意すべき義務があり、それにもかかわらず漫然とセクハラを放置すると、職場環境配慮義務違反として責任が発生するためです。

3 セクハラの慰謝料相場

セクハラの慰謝料相場は、50~200万円程度です。

ただし、事案によって大きく異なり、ときには300万円を超える案件もあります。

以下で、どういった状況になるとセクハラの慰謝料が高額になるのか、みてみましょう。

セクハラの慰謝料が高額になりやすいケース

  • 被害者がセクハラによって退職に追い込まれた
  • 被害者がセクハラによってうつ病などの病気にかかった
  • セクハラの態様が悪質(強姦した、強制わいせつ行為をしたなど)
  • セクハラが長期間、何度も繰り返された

特に被害者に対して強姦や強制わいせつ行為が行われて刑事事件になる場合などには、数百万円という高額な慰謝料が発生するケースもあります。

4 パワハラとは

パワハラは、パワーハラスメントを省略した言葉です。

職場のパワーハラスメントとは、職場において行われる①優越的な関係を背景とした言動であって、②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、③労働者の就業環境が害されるものです。パワハラといえるには、①から③までのすべての要件を満たさねばなりません。

たとえば、相手に暴力を振るった場合、精神的に攻撃した場合、仲間はずれにした場合、過量な業務を強要した場合や反対に仕事を与えない場合、プライベートに無用に踏み込む場合などにパワハラが成立する可能性があります。

上司による部下へのパワハラが典型ですが、職場の優越的な関係を背景としてさえいれば、部下から上司へのパワハラや同僚同士のパワハラも成立します。

5 パワハラで慰謝料請求できる相手

パワハラで慰謝料請求できる相手には、直接の加害者だけではなく会社も含まれるケースが多くあります。

従業員の行為について使用者責任が発生する可能性がありますし、会社には職場環境配慮義務も課されるからです。

被害に遭っているのに会社がパワハラを漫然と放置した場合、会社への責任追及も検討しましょう。

6 パワハラの慰謝料相場

パワハラの慰謝料相場は、ケースによって大きく変わります。

また、どのようなパワハラが行われたかによっても慰謝料額は変わってきます。

一般的には30万円~200万円程度になる事案が多いでしょう。

たとえば、相手から殴られた場合や暴言をはかれた場合、名誉毀損された場合などです。

一方、被害者が自殺した場合には、2000万円以上もの高額な慰謝料が認められるケースも少なくありません。

パワハラの慰謝料が高額になりやすいケース

  • 被害者が暴力を受けて後遺症が残った
  • 執拗にパワハラが行わるなど、悪質であった
  • パワハラが行われた期間が長い
  • 被害者がうつ病などの精神疾患になって働けなくなった
  • 被害者が自殺した

被害者がうつ病などの精神疾患にかかると、比較的慰謝料が高額になりやすい傾向があります。

7 セクハラやパワハラの慰謝料請求を弁護士に依頼するメリット

セクハラやパワハラの慰謝料請求を行う場合、弁護士に依頼すると以下のようなメリットがあります。

  • 相手(加害者や会社)が真摯に対応する可能性が高い
  • 有利に交渉して高額な慰謝料を獲得しやすい
  • 交渉の手間や時間を節約できる
  • 相手と直接交渉しなくて良いのでストレスが軽減される
  • 状況に応じて適切なアドバイスをもらえるので、間違った行動により後で不利になるリスクが低下する

セクハラやパワハラのトラブルでお困りの場合、弁護士がアドバイスやサポートを行います。まずはお気軽にご相談ください。

お問い合わせフォーム

 

ページの上部へ戻る

keyboard_arrow_up

0752555205電話番号リンク 問い合わせバナー