会社が従業員を解雇する場合、一定のルールに従って行う必要があります。
この記事では、解雇をする場合のルールのうち、解雇予告、解雇予告手当とは何か?について京都の弁護士が解説します。
従業員の解雇を検討しているという会社の方は、ぜひ参考にしてみてください。
このページの目次
1 解雇予告
使用者が従業員を解雇しようとする場合、少なくとも30日前までには解雇の予告をする必要があります。
解雇予告を口頭ですることもできますが、解雇予告を行ったという証拠を残すために、「解雇予告通知書」を作成し、これを渡すことが通例となっています。
2 解雇予告手当
解雇予告をせずに解雇する場合、30日分以上の平均賃金を支払う必要があります(解雇予告手当)。
(1)計算方法
1日あたりの平均賃金は、原則として、直近3か月間に、労働者に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数(暦日数)で除した金額をいいます。
(2)解雇予告手当の支払時期
即時解雇をする場合には、解雇と同時に支払うことが必要であり、解雇予告をする場合には、解雇の日までに支払うことが必要です。
3 解雇予告が不要な場合
「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」又は「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」は、解雇予告や解雇予告手当の支払いが不要となります。
たとえば、「天災事変その他やむを得ない事由のために事業の継続が不可能となった場合」としては、地震によって工場が倒壊して事業の継続が不可能になった場合など、「労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合」としては、会社において労働者が窃盗や横領、傷害事件を起こした場合などが考えられます。
もっとも、使用者は、解雇予告や解雇予告手当の支払いを不要とするには、所轄労働基準監督署長から除外認定を受けることが必要となります。
なお、懲戒解雇を行う場合は、常に解雇予告は不要と思っておられる方もいるようですが、そうではありませんので、注意して下さい。
また、次の場合にも、解雇予告義務、解雇予告手当支払義務はないとされています。
- 日日雇い入れられる者(1か月を超えて引き続き使用されるに至った場合は除く)
- 2か月以内の期間を定めて使用される者(契約期間を超えて引き続き使用されるに至った場合は除く)
- 季節的業務に4か月以内の期間を定めて使用される者(契約期間を超えて引き続き使用されるに至った場合は除く)
- 試用期間中の者(14日間を超えて引き続き使用されるに至った場合は除く)
4 まとめ
この記事では、解雇予告、解雇予告手当とは何か?について解説しました。
京都の益川総合法律事務所では、企業法務に積極的に取り組んでいます。
従業員の解雇を検討しているという企業の方は、お気軽にご相談ください。