会社が活動を行っていると、様々な場面で「契約書」が登場します。
契約書は、会社にとって武器にもなりますが、その一方契約書の内容をきちんと確認していないかったことにより会社が計り知れないダメージを負う場合もあります。
このように、契約書は、会社にとって有利にも不利にも働く二面性を有するものであり、昨今契約書のリーガルチェックの重要性が高まっています。
そこで、今回は、契約書のリーガルチェックについてご説明いたします。
このページの目次
１ 契約書の作成・確認（リーガルチェック）とは
契約書のリーガルチェックとは、契約書の内容を法的な観点から調査し、作成・確認することをいいます。
契約書のリーガルチェックというときは、既に作成されている契約書を確認する場合が多いですが、一から契約書を作成することを指す時もあります。
このリーガルチェックには、契約書の内容が法的に適法であるかや、自社に不利益な条項が含まれていないか等を確認することも含まれます。
中小企業間の取引では、契約書の雛形を使っているが、その雛形が取引の実態に合っていないこともあります。
そのような場合、当初から自社に実現不可能な義務が課せられていたり、契約書の締結時点より自社が義務違反をおかしているという状態に置かれることもあります。
契約書のリーガルチェックをしていないばかりに、自社にとって極めて不利益な条項を見落とし、多大な損害を受けてしまうこともあるのです。
２ 弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼するメリット
（１）裁判実務に精通している
契約に関してトラブルが発生した場合、話し合いによって解決を試みることになりますが、この話し合いに際しては、最終的に裁判をした場合どのような結果になるかが重要になってきます。
というのも、話し合いによって交渉が決裂した場合には、裁判等によって法的観点から検討をせざるを得ず、話し合いの時点から裁判の結果を見据えて交渉を行う必要が生じてくるためです。
例えば、裁判をして勝訴する見込みがあれば強気に交渉できるでしょうし、裁判をしても勝訴する見込みがなければ、一定程度取引先の要求を受け入れざるを得なくなります。
そのため、契約書のリーガルチェックに際しても、万一の場合の裁判を見据えた形で、確認を行うことが重要になってきます。
そして、このような裁判を見据えた確認ができるのは、裁判実務に精通する弁護士のみで、司法書士や行政書士などでは行えません。
（２）自社にとって不利益な条項を把握できる
契約書のリーガルチェックの１番大きなメリットは、自社にとって不利益な条項を把握できることです。
取引相手とのパワーバランス上、契約書の修正が行えるのであれば、リーガルチェックを行うことによって、自社にとって不利益な条項を排除することができます。
もし、取引相手とのパワーバランス上、契約書の修正が難しいとしても、リーガルチェックにより契約書の内容を正確に把握することによって、そのリスクを経営上取るべき否かの検討ができることになります。
例えば、契約書の内容が自社にとって、計り知れないダメージ与えるものである一方、取引上のメリットが少なければ、経営上そのリスクを取るべきでないということになります。
契約書の内容を正確に理解できなければ、自社にとっての不利益も分からず、経営判断を正確に行うことはできません。
このように、契約書のリーガルチェックにより、自社にとって不利益な条項を把握でき、経営上の選択が適切に行えるようになるのです。
（３）契約の内容を再認識できる
契約書の雛形を利用している場合、その契約書が取引の実態に合っていない場合もあります。
このような場合には、契約書のリーガルチェックを行い、取引先に対して、取引の実態に合うように契約書を修正するよう依頼することになります。
そうすると、取引先と自社との間で契約の内容を詰めることができ、両者の中で契約内容についての認識をすりあわせることができます。
両者の間で契約内容の認識に齟齬があることもあり、契約の内容を再認識することによって、トラブルの事前予防に繋がるのです。
（４）トラブルが発生した時にスムーズに対応してもらえる
弁護士に契約書のリーガルチェックを依頼する場合、多くのケースでは、自社の顧問弁護士に依頼することになります。
契約書のリーガルチェックの際には、契約書における取引内容を把握することになるため、万一トラブルが発生した場合にも、一から弁護士に内容を説明する場合と比べて、スムーズに対応してもらえることが多いです。
特に顧問弁護士であれば、自社の業務を理解しているとともに、トラブルが発生した場合には、優先的な対応を受けられるでしょうから、スムーズな対応が期待できるといえます。
３ 当事務所の実績
当事務所では、１９８３年の創業以来、東証一部上場企業から中小企業、個人事業主の方の顧問弁護士として、多種多様な案件に携わってきました。
特に、予防法務には力を入れており、これまで数多くの契約書のリーガルチェックを行ってきました。
以下は、当事務所がこれまでリーガルチェックを行った契約書の一例です。
売買契約書（不動産売買など） 交換契約書 賃貸借契約書 リース契約書 取引基本契約書 請負契約書 金銭消費貸借契約書 抵当権設定契約書 保証契約書 業務委託契約書 業務提携契約書 労働契約書 産業医委嘱契約書 Ｍ＆Ａに関する契約書（事業譲渡契約書、吸収分割契約書、株式譲渡契約書など） 販売代理店契約書 パブリシティ商品化契約書 ソフトウェア開発契約書 特許実施許諾契約書 フランチャイズ契約書 運送契約書
契約書のリーガルチェックに関するご相談がありましたら、お気軽に当事務所までご連絡下さい。
