交通事故の慰謝料額を定める基準には、弁護士基準（裁判基準）、任意保険基準、自賠責基準といわれる３つの基準があります。
慰謝料の金額としては、弁護士基準（裁判基準）＞任意保険基準＞自賠責基準となることが、一般的です。
そして、交通事故の慰謝料と一口にいっても、３つの種類がありますので、今回はこの３つの慰謝料の種類ごとに慰謝料基準を比較していきます。
このページの目次
１ 入通院慰謝料
入通院慰謝料とは、交通事故に遭って、入院や通院をした場合に、その入院や通院の精神的苦痛に対して支払われる金額のことをいいます。
入通院慰謝料は、交通事故によって怪我をしたことに対して焦点を当て、傷害慰謝料と呼ばれることもあります。
以下では、この入通院慰謝料について、具体例を挙げながら、上記３つの慰謝料基準を比較していきます。
■入院１ヶ月 通院期間６ヶ月（実際に通院した日数６０日）の場合
弁護士基準（裁判基準）→１４９万円、又は１１３万円
※弁護士基準（裁判基準）とは、弁護士が慰謝料請求をする際に根拠とする基準であり、過去の裁判例を基にした基準です。上記のケースでは、骨折を伴う等の重い症状の場合には１４９万円、比較的軽い症状の場合は１１３万円となります。
任意保険基準→弁護士基準より低く、自賠責基準以上の金額
※任意保険基準とは、交渉の相手方である保険会社ごとに独自に定めている基準です。この基準が公開されていないため、金額を挙げるのを控えています。ただし、一番低い基準である自賠責基準に近い金額であることも少なくなく、注意が必要です。
自賠責基準→７７万４０００円
※自賠責基準とは、強制加入保険である自賠責保険が定める慰謝料の基準です。自賠責保険は、交通事故に遭った方に最低限の補償をすることを目的としているため、慰謝料の金額を定める基準としては、一番低い基準となります。
■通院期間６ヶ月（実際に通院した日数６０日）の場合
弁護士基準→１１６万円、又は８９万円
※骨折を伴う等の重い症状の場合には１１６万円、比較的軽い症状の場合は８９万円です。
任意保険基準→弁護士基準より低く、自賠責基準以上の金額
※一番低い基準である自賠責基準の価格に近い金額であることも少なくなく、注意が必要です。
自賠責基準→５１万６０００円
２ 後遺症慰謝料（後遺障害慰謝料）
後遺症慰謝料（後遺障害慰謝料）とは、交通事故が原因で、後遺症（後遺障害）が残ってしまったことへの精神的苦痛に対して支払われる金額のことをいいます。
以下では、この後遺症慰謝料（後遺障害慰謝料）について、具体例を挙げながら上記３つの基準を比較していきます。
■交通事故により、重度の後遺症が残り、後遺障害等級が第１級と認定された場合
弁護士基準 →２８００万円
任意保険基準→弁護士基準より低く、自賠責基準以上の金額
※一番低い基準である自賠責基準の価格に近い金額であることも少なくなく、注意が必要です。
自賠責基準 →１１５０万円
■交通事故により、比較的軽い後遺症が残り、後遺障害等級が第１４級と認定された場合
弁護士基準 →１１０万円
任意保険基準→弁護士基準より低く、自賠責基準以上の価格
※一番低い基準である自賠責基準の価格に近い金額であることも少なくなく、注意が必要です。
自賠責基準 →３２万円
３ 死亡慰謝料
死亡慰謝料とは、交通事故によって、被害者の方がお亡くなりになった場合に、被害者の方やそのご遺族の方が受ける精神的苦痛に対して支払われる金額のことをいいます。
以下では、この死亡慰謝料について、具体例を挙げながら、上記３つの基準を比較していきます。
■一家の経済的支柱であるご主人が亡くなられ、奥様と小さいお子様１人が残された場合
弁護士基準 →２８００万円
任意保険基準→弁護士基準より低く、自賠責基準以上の価格
※一番低い基準である自賠責基準の価格に近い金額であることも少なくなく、注意が必要です。
自賠責基準 →１２５０万円
４ 弁護士にご依頼いただくメリット
上記の通り、一口に交通事故の慰謝料といっても、その種類には、①入通院慰謝料、②後遺症慰謝料、③死亡慰謝料の３つの種類があります。
そして、この①から③の慰謝料全てについて、基本的には、その金額が、弁護士基準（裁判基準）＞任意保険基準＞自賠責基準となります。
この１番高い基準である弁護士基準（裁判基準）を前提に、保険会社と交渉するためには、弁護士へご依頼いただくことが必要になってきます。
そのため、多くの場合には、弁護士にご依頼いただくと、賠償額が増額することになります。中には、弁護士にご依頼いただけば、賠償額が何倍にも増額するケースもあります。
そして、自動車保険に弁護士費用特約を付けておられる場合には、原則として、ご自身の費用負担なく、弁護士にご依頼いただくことができますので、経済的ご負担なく賠償額の増額を目指して頂くことができます。
当事務所では、交通事故に遭われた方の初回相談を無料で行っております。
これは、交通事故の被害に遭われた方が、適正な賠償額を受けられないことなどによって、さらに辛い思いをされることを防ぐためです。
もちろんご相談頂いたからといって、ご依頼いただくことを強制することはありません。それどころか、弁護士にご依頼いただいても増額が見込めない場合には、その旨を明確にお伝えするようにしています。
まずは、お気軽に当事務所の無料相談を活用下さい。
※弁護士費用特約を利用されてご依頼いただいた場合には、特約の範囲内で相談料を頂きますが、ご依頼者のご負担はありません。
