従業員の引き抜きに対する防止策

本ページでは、従業員の引き抜きに対する防止策について、紹介します。

特に、自社の元役員や元従業員、在職中の役員や従業員が転職先に、自社の従業員を引き抜いてくることへの防止策になります。

これまでの記事でも、従業員の引き抜きについて、解説してきましたので、是非参考になさってください。

■これまでの記事

従業員の引き抜きが違法と評価される場合とは?

従業員の引き抜きを違法と評価した裁判例について、企業側の弁護士が解説

派遣スタッフの引き抜きを違法と評価した裁判例について、会社側の弁護士が解説

裁判所が認める従業員が引き抜かれた際の損害額について

1.誓約書の提出を求める

まずは、従業員の入社時及び退職時に、自社の従業員の引き抜きを行わないとの誓約書の提出を求めることが考えられます。

但し、誓約書もその内容次第では、裁判所から無効とされてしまいますので、誓約書の作成の際には、弁護士に相談の上、作成されてください。

2.就業規則に記載する

次に、就業規則にて、従業員の引き抜きを制限することが考えられます。

退職後も従業員に制限を課す就業規則の効力については、退職後の従業員の自由を不当に制限しない範囲で認められています。

そのため、就業規則の規定の仕方については、気を使う必要がありますが、就業規則にて引き抜きを規制する方法も考えられます。

なお、誓約書と就業規則については、どちらか一方のみではなく、双方で規律しておくことをお勧めしております。

なぜなら、誓約書だけの場合、提出を拒否されてしまったら、引き抜き防止策が打てなくなりますし、就業規則だけの場合には、そもそも従業員が就業規則の内容を理解しているかが分からないためです。就業規則については、作成手続きに不備があるとして、裁判所から効力を否定されている例も見受けられます。

3.引き抜きの計画が判明した場合

自社の元役員や元従業員による引き抜きの計画が判明した場合には、その者(企業)に対して、通知書を送付することが考えられます。この通知書は、弁護士に依頼の上、内容証明郵便の形で送付することが効果的です。

また、実際に、引き抜き行為がされてしまった場合には、相手方に対して、損害賠償請求をしていくことが考えられます。この辺りは、弁護士に相談の上、損害賠償請求が認められるかの見通しも含めて、対応するのが良いです。

4.顧問弁護士の活用も

従業員の引き抜きに対する防止策を打ちたい企業様は、顧問弁護士の活用もご検討ください。顧問弁護士が入れば、当該企業様に合わせて、適切に従業員の引き抜きに対する防止策を講じることができます。

また、当事務所の経験上、顧問弁護士がいた場合には、従業員を引き抜かれることが少なくなります。

これは、上記のような防止策に加えて、引き抜く側も、実際に引き抜き行為をした場合には、その顧問弁護士が活動してくることが分かるためです。

5.最後に

今回は、従業員の引き抜きに対する防止策について、企業側で労働問題に注力する弁護士が解説しました。

以前の記事でも解説しましたが、引き抜きに対する損害賠償請求が認められたとしても、その金額は、多くの経営者の方にとっては、割に合わないものになっています。

そのため、可能な限り、従業員の引き抜きを事前に防止する措置を講じた方がよいです。

当事務所は、1983年の創業以来、中小企業の顧問弁護士として、多くの労働紛争を解決して参りました。

従業員の引き抜きについて、お困りの事業者の方がおられましたら、お気軽に当事務所までご相談ください。

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