メタバースと法律(4)~メタバースをビジネスで活用する場合の注意点~

近年、技術発展にともなって注目を浴びているメタバース

メタバースをビジネスに活用する企業も増加しています。

ただし、メタバースをビジネスで利用する場合にはいくつか注意点もあります。

今回は、メタバースをビジネス活用する際のメリット・デメリットや注意点を、京都の弁護士がお知らせしますので、ぜひ参考にしてみてください。

1 メタバースの将来性

メタバースの市場は、急激に成長を続けています。

Bloomberg Intelligenceなどによる分析結果では、2020年のメタバース市場は5,000億ドルですが、2024年には8,000億ドルまで成長する予測が立てられています。

2022年現在においては、ゲームやイベントなどを中心にメタバースが使われていますが、今後は観光や教育などの他分野へ拡大していくだろうとも予測されているのです。

メタバース市場が大きくなるにつれて、参入する企業も増えると考えられます。

メタバース空間で営業活動を行うことには、大きなチャンスがあるといえるでしょう。

2 メタバースのビジネスへの活用方法

メタバースをビジネスに活用する際には、以下のような方法があります。

(1)バーチャルイベント

アバターを使ってメタバース上でイベントを開催する方法です。

たとえば、展示会やセミナーなどを行えます。

バーチャルのイベントであれば、全世界から簡単に参加できます。

新型コロナウイルスなどの感染症が流行していても、問題になりません。

(2)バーチャル会議

アバターを介して参加者が会議室に集まり、バーチャル会議を行う方法です。

身振り手振りで気持ちを伝えられるので、オンライン会議よりもリアルに近いコミュニケーションをとれます。

(3)接客に活用

メタバース空間上で、さまざまなコンテンツやサービスを販売する方法です。

アバター同士で対面してコミュニケーションをとれるので、インターネット通信販売などよりリアルに近いやり取りができます。

3 ビジネスでメタバースを活用するメリット

ビジネスにメタバースを活用すると、以下のようなメリットがあります。

(1)新たなビジネスチャンスをつかめる

メタバースを利用すると、新たなビジネスチャンスをつかめる大きな可能性があります。

たとえば、現在においてもメタバース上でさまざまなコンテンツやゲームのアイテムなどを販売できますし、今後は観光や医療、教育などの分野にも広がりを見せていくと予測されています。

そうなると、ますます大きなチャンスを得られる可能性が高まるでしょう。

取引額も高額で、新規参入すると大きな利益を得られる可能性があります。

(2)コストがかからず生産性が向上する

メタバースは仮想空間であり、距離やエリアによる制約を受けません。全世界のどこからでも会議やイベントなどに参加できますし、買い物などもできます。

また、社内の関係者間で資料やデータを共有したり、顧客に資料を開示したりするのも簡単です。

さらに、メタバースのアバターを介してコミュニケーションをとれば、ZOOMなどのオンライン会議よりもリアルに感情や状況を伝えやすいメリットもあります。

このように、メタバースを活用すると場所に関係なくリアルなコミュニケーションをとることができてビジネスにおける生産性が向上するメリットがあるといえます。

4 ビジネスでメタバースを利用する際の注意点

ビジネスでメタバースを活用する際には以下のようなデメリットや注意点もあります。

(1)導入コストが発生する

メタバースを導入するには一定のコストが発生します。

たとえば、メタバースに対応するデバイスが必要ですし、VRゴーグルも購入しなければなりません。

自社でメタバース上のビジネスを展開するとき、スキームによってはあらたに資格や許認可を受けなければならない可能性があります。

こうした導入コストが当初にかかるのはデメリットといえるでしょう。

(2)コミュニケーションが希薄化する

メタバースでは、アバターを介して比較的リアルにコミュニケーションできますが、やはり実際に会ってコミュニケーションをとるのとは違います。

メタバースに頼りすぎてしまうと、リアルなコミュニケーションが希薄化する可能性があると懸念されています。

便利であっても依存しすぎず、リアルなコミュニケーションも交えながら、適度な距離を保ってメタバースを活用しましょう。

(3)デバイスやプラットフォームは開発段階

メタバースのデバイスやプラットフォームは、まだまだ開発段階で、完成したものとはいえません。

たとえば、現在普及しているPCやスマートフォンなどと比較すると、メタバースのVRデバイスは「重い」「画質が荒い」と感じる方も多数います。

現在、さまざまな企業がメタバース上のプラットフォーマーとして参入していますが、まだまだ開発途上です。

(4)法整備が不十分

メタバースの世界では法整備も不十分です。

今は既存の法律で対応していますが、それだけでは不十分な部分もあるために、今後はメタバースの特性に応じた法規制が行われていくでしょう。

法律がきちんと整備されるまでは、トラブルが発生する可能性も高いですし、法律が整備された場合には、新法や改正法を追いかけていく必要があります。

京都の益川総合法律事務所では企業の法的支援に積極的に取り組んでいます。

関心のある企業の方はぜひとも一度、ご相談ください。

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